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横木安良夫氏のストリートスナップの話を聞いた 2/2
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前回からの続き

先月24日、四谷で開かれた横木安良夫氏のストリートスナップ(盗撮、盗み撮り、キャンデットフォト、スナップ写真)をテーマとしたトークショーから、普段からストリートスナップを撮りこのブログにアップしている私の印象に残った言葉を掲載する。
インタビュアーはタカザワケンジ氏。

―― 決定的瞬間とは?
「狙って撮ってない。対象をよく見てない」

ストリートスナッパーならこれはよく分かる。
対象をよく見ていたら決定的瞬間を逃してしまう。
続けて。

「撮りたい瞬間に撮るとよく撮れてる」

「自分が気持ちいいと思った時に撮ったほうが当たってる」


これもよく分る。
「これだ!」と思い細かなところを気にせずシャッターを切ると、意外と構図やピントや露出も味方してくれることがよくある。そんな画像を背面液晶で見たとき「やった!」と痛烈な快感を覚える。
決定的瞬間についての氏の締めくくりの言葉に、カメラマンの分岐点を想った。

「自分に見えてることより、よく撮りたい」

「計算している通りに撮れても、面白くない」



―― 写真集とは?
「写真集がいちばん面白いメディア」


―― 影響を受けた写真家は?
「ロバート・フランク。ショックを受けた。カッコいいなと思った」


写真展に話が及ぶと、欧米を引き合いに出し、

「向こうの写真展は買う態度で客が来る。これいくらですか?て」

と見るだけの日本の写真展との違いを説明。
休憩を挟み、聴衆からの質問タイム。


―― カラーとモノクロについて。
「そんなに分けてない。カラーで撮ってる時は色を見てる。モノクロの時は光のトーンを見てる」

―― プリントについて。
「撮影は偶然性を求めているけど、プリントには偶然性を求めていない」

「トリミングはほとんどしない・・・フォーマットは変えることあるけど。でも、やっちゃイケナイとは思っていない。雑誌の見開きに合うように横に伸ばしちゃったりする」

「色はバーチャルなものだから、自分の好きな色にすればいいんじゃない」



終了の時間が迫って来ると、饒舌な横木氏ますます饒舌になり話は様ざまな方向へ。

「写真は初対面の第一印象がいちばん写るんだよね」

「情報がなければないほど伝わる。画素数が多いほど伝わらないんですね」

「アートていうのは、情報を減らすことなんですよ」



「最近のスナップのトラブルは?」と聞かれ、若いカップルを撮ったさい男性に見つかり「盗撮だ。盗撮だ」と騒がれたエピソードを披露。氏が説明し画像を消すと提案しても収まらず警察を呼ばれた。
連れていた小学生の娘さんが泣きながら「だって仕方ないじゃん。パパ、カメラマンなんだから」と言った下りでは場内から笑いが。
パトカーに乗り警察で事情聴取されたが画像を見せ「覗き撮り=ピーピング」でないことを説明すると納得。興奮冷めやらぬ男性を警察が「肖像権で訴えるのなら訴えなさい」と帰し、横木氏担当の警官は「実は私も自然な写真が好きなんですね」と漏らしたという(注:肖像権は撮影された者が訴えて初めて裁判となる。警察が介入することは出来ない)。
振り返り。

「権力に守られてるなと思った。自分が毅然としていると」

「スナップ写真はウエッブで発表したらいいと思う。トラブルは自分で引き受けたらいい。そのトラブルは仕方ないんだよね」


反省点も。

「見破られたこと自体がイケないなと思った。怒られちゃいけないんですよ」

と盗み撮りをする理由のひとつとして氏は、場を乱すことへの配慮もあることを語った。
またストリートスナップに関しては、

「覚悟を持ってすれば、プロもアマチュアも関係ない」


とも。


最後に。タカザワ氏と横木氏のまとめ。

―― 写真がいろんな問題を定義すると思うんです。スナップなんて、それを考えて語るということに意義がある。この現代だからこそ面白い。

「(スナップを撮ることの)その軋轢が面白い。今の人は難しいことになっている。関係を持たないことがOKだったら島に住めばいい」




トークを聞き終えて。

氏の語り口は即物的で分りやすい。観念論が嫌いな私は好感を持った。
また、風当たりの強いストリートスナッパーにとって、ネットや著書、そして今回のトークショーを通じてストリートスナップの存在価値を世間に知らしてめてくれる氏の存在は有り難くも貴重な存在だと思った。
奇しくも今日、子供への異常な性癖を持った執行猶予男が学校に進入し児童を撮影したところ建造物侵入の疑いで逮捕された。
当ブログにも公園を撮影しようとして「何を撮っているんですか!?」と子連れの母親から注意されたという体験が寄せられている。
氏にだけ頼らず、我われストリートスナッパーもストリートスナップの正当性を社会に対して主張していくことが益々必要になって来る。

みなさん、もっと人を撮りましょう。
皆なんだかんだいって「人」に興味を持っています。
本来人を撮ることが、いちばん自然な撮影スタイルです。


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※多忙と手間のかかるこのエントリーでくたくた。コメントへの返答遅れていますが、今日も出来そうにないです。目は通していますのでお許しを・・・これから画像選択と加工だ。ふう~




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